着衣で盗撮?あほかいな


20150111-214602.jpg

「ズボン姿の女性」を後ろから撮り「盗撮」で逮捕…広がる“グレーゾーン”


これで逮捕なら高校野球の甲子園で応援するチアリーダーの皆さんが訴えたらNHK職員逮捕ということですね
証拠動画もあるし、言い逃れできないですねわかります

 平成26年10月、静岡県御殿場市のアウトレットモールで、県職員の男性(53)がスマートフォンで女性(24)の下半身を盗撮し、県迷惑防止条例違反で逮捕された。両者の間で示談が成立し、男性は起訴猶予となり、県は減給6カ月(10分の1)の懲戒処分を下して事件は幕を閉じた-。よくある盗撮事件のようだが、当時、女性はスカートではなく、ズボンを着用。事件に対し、「どこが盗撮なのか?」と疑問の声も上がった。最近は服の上からの撮影でも盗撮行為として逮捕されるケースが急増。どこからが盗撮行為にあたるのか。境界線を探った。

 事件が起きたのは、平成26年10月26日、買い物客で混み合う昼下がりの「御殿場プレミアム・アウトレット」だった。男性は細身のズボンをはいた女性に目を付け、スマホを腰辺りに構えて、5メートルほど後ろからついて回り、数十秒間にわたって動画撮影を行ったという。この男性の不審な行動に女性の友人らが気づき、110番通報。男性は、駆けつけた御殿場署員に県迷惑防止条例違反(卑わいな言動)の現行犯で逮捕された。

 捜査関係者によると、男性は当初、「富士山を撮っていた」と容疑を否認。しかし、目撃者が複数いたことや動画記録がスマホに残っていたことが決め手となり、男性は「仕事のストレスがあった。スタイルのいい女性を見つけたので撮りました」と認めた。しかし、一方で「スカートの中を撮っていたのではない。犯罪だという認識がなかった」と弁解していたという。

■「卑わいな言動」とは

 一体、男性はなぜ逮捕されたのか。

 今回、男性の行為は、県迷惑防止条例が定める「卑わいな言動」に該当するとされた。同条例第3条では、「正当な理由がなく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない」としており、その1つとして「公共の場所又は公共の乗物にいる人に対して卑わいな言動をすること」と明記。違反した場合は、6カ月以下の懲役か50万円以下の罰金が科される。

 平成20年11月の最高裁判所の判例によれば、卑猥(ひわい)な言動とは「社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作」と定義されている。

 同署の捜査関係者は、今回の逮捕のポイントについて「まず、撮られた女性が被害を訴えている。次に動画記録という客観的証拠があった。そして最後に本人が容疑を認めた。この3つがそろったので逮捕は妥当と判断した」と説明。「男性は、女性のお尻をアップで長時間撮影していた。たとえ下着が写っていなくても、羞恥心を与える行為、すなわち“卑猥な言動”と認められる。もし女性の全身を写していたのなら、逮捕は難しかったかもしれない」と話した。

 つまり、たとえ服の上からの撮影でも、撮影した部位や撮影時間、被写体との距離などによっては、条例違反となる場合があるというのだ。

■窮屈な社会に?

 「服の上からの盗撮」の摘発は、他県でも相次いでいる。

 今年8月、川崎市職員の男性が電車内でUSB型カメラを手の中に隠して、隣に座っていた女子大生の全身を撮影したとして逮捕された。相模原市では平成24年9月、文化祭でチアダンス中の女子高生の太ももなどをデジタルカメラで撮影したとして男2人が逮捕。いずれの事件も、神奈川県迷惑防止条例違反(卑猥な言動)が適用された。

 スマホの普及で、誰もが小型高性能なカメラを常時携帯する社会が到来。このため、女性は常に盗撮の危険性にさらされているともいえ、こうした状況から女性を保護する必要がある。

 しかし、こうした傾向に懸念の声も上がっている。

 弁護士法人Next(東京都渋谷区)の倉持麟太郎弁護士(31)は「どのような行為が『卑猥な言動』に該当するのか不明確で、規制が広範囲に及ぶ恐れがある」と問題点を指摘する。倉持弁護士は、街中のスナップ写真や観光地での記念撮影、ツイッターに掲載する写真などが、場合によっては盗撮行為とされてしまう危険性を示し、「合法的な行動までもが“自主規制”の形で抑制され、窮屈な社会に変質してしまう」と警鐘を鳴らす。

 さらには、「痴漢冤(えん)罪(ざい)のように、誰かを陥れるために利用されかねない」として、「スマホがあふれている現代社会だからこそ、条例の規定は可能な限り明確にするべきだ」と訴えた。

■モラルは追いつくか

 県によれば、職員が盗撮行為で逮捕された場合は、停職や免職処分が通例だが、今回は特異なケースと判断して、最も低い減給処分に処した。男性は処分を受けた2日後に職場に復帰し、現在も同じ部署で仕事を続けているという。

 ある県関係者は男性について「仕事が終わってからも喫茶店で勉強をしたり、仕事熱心で責任感が強かった。それだけに周囲の動揺も大きかった」と振り返る。「逮捕されたことで、失った社会的信用は計り知れない。本人はさぞ後悔しただろう。しかし、退職せず心を入れ替えて仕事に打ち込んでいる今の彼を陰ながら見守っていきたい」(県関係者)と話した。

 「盗撮道具としてきわめて優秀なスマホを、みんなが携帯している。頭の痛い話だよ」。これは、ある県警関係者が苦笑まじりにもらした一言だ。果たして、スマホの高機能に見合うだけのモラルを使う側は身につけられるのか。幅広い議論が必要とされている。

20150111-214610.jpg